みつめよう子どもの姿、考えよう子どもの現実
タイで育つ子どもたちを新たな豊かさへ繋げる
複言語・複文化の視点 第4弾
わたしを描く
―言語マップで何が見えるか―
2017年9月3日に終了したワークショップの内容をこれから4回に分けて報告します。
当研究会では舘岡洋子氏をお招きし、2011年から複言語・複文化ワークショップを開催してきました。今回はその第4弾。子どもと保護者と教師が初めて一緒に体験するワークショップになりました。第4弾では、これまで作成してきた「言語マップ」だけでなく、自身の「言語ポートレート」を作成するという2つの活動を行いました。
*本WSの一部は、科研(B)「言語的文化的に多様な子どもたちのパフォーマンスアートに媒介された学習活動の研究」(代表 石黒広昭)の助成を受けています。
■ワークショップ・当日の活動の流れ
■会場の様子
■感想
(二つのワークをやって)“ハーフ”ではなく“ダブル”であることに実感させられました。ハーフとしての葛藤を乗り越えた時に来るプラスに気付けるワークで、もっと自分に自信が持てるようになりました。自分のアイデンティティをわかっているつもりでしたが、このワークショップに参加したことで、より自分自身の中で消化しきれていなかった部分を明確にすることができました。まだ国際児として恥ずかしいと思う時がありますが、トランスランゲージングの考え方をしったことによってより自分自身に自信が持てそうです。(子ども/大学生(日本在住))
今回は自分のことしか考える余裕がなかったですが、自分の中の言語がどのように構成されているのか”可視化”されて新しい発見が多かったです。同じことを日本に住んでいるダブルの子どもたちにやってもらうとまた違う結果が生まれるだろうと思います。自分の大学でも実践してみたら面白いと思いました。(教師)
トランスランゲージングという言葉を初めて聴きましたが、自分の子供もハーフ/ダブルとしてではなく、モノリンガルの人たちよりも豊かなリソースがあるということを知ってもらいたいと思いました。自分の子供(小学生)にやってみたいと思います。自分と生まれ育った環境が違うので、子供の心理がとても知りたいです。(保護者)
I've never join the event like this before and it's interesting. I want to practice more so I can know. I'm proud to be half. Today, everything goes well. I think it's interesting and I think I want to join again.(子ども/大学生)
今、子供達が持っている複言語能力自体が彼らの能力であり、生きてきた集大成であり、これから生きていくためにツールであるのだということは、新しい世界の在り方だと思います。世界がひとつになっている中で、この言語に関しての新しい考え方は大事だと思います。是非、3人の子供たちとシェアしたいです。(保護者)
これまで「バイリンガル」ということばや「複言語」ということばは、両親のどちらかが一方と異なる言語・文化である人が対象だと思っていました。でも、今日自分の言語マップ、言語ポートレートを描いてみて、自分もやはり当事者なんだということに気がつきました。今、私が担当している授業にダブルの学生が3名います。まだ学期が始まったばかりなので、これから関係を築いて、今日行ったマップやポートレートを是非実践してみたいと思います。(教師)
豊かな人生を生きるということについて改めて考えさせられました。他の方々の言語マップや言語ポートレートを拝見したことも大変興味深く、自分自身や子供のことを見直す上でのヒントになりました。(教師/保護者)
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