継承日本語教育を考える
―バンコクにある親子でつくるテーマ型活動教室の実践から―
日時 :2021年3月28日(日) 12:00~16:45
当日参加者:83名
前回に引き続き今回もオンラインでの開催でしたが、世界15か国から保護者、教師、学生、研究者などさまざまな立場の方々から参加がありました。
今回はタイにある継承日本語教室「バイリンガルの子どものための日本語教室」を特集として取り上げ、この教室の全クラスの活動を報告していただきました。
継承語教育の問い直しから、言語習得ではない新たな目標を立てた2008年。そして、全ての親が教師役として関わるようになった2011年。現在に至るまでのこの教室の変遷と今展開される「テーマ型体験活動」の実際を知ることができました。この活動を教師を雇わず親が自分で実践しています。その実践を親自身が語ることに圧倒されました。動画や写真満載の報告で、自分でもやってみたくなるアイデアがいっぱいです。
参加できなかった方は4月23日から動画視聴もできますので、是非ご覧ください。
参加者の感想の一部を紹介します。
継承語教室の概念がかなり変わりました。(教師/日本)
新たな発見だらけでした。上からの押し付けでない、子どもたちの伝えたいという気持ちを大切にするテーマ体験活動に大きな感銘を受けました。(保護者・教師 /香港)
日本語を教えるから日本語が身につくのではなく、活動が楽しいから自然と日本語を身につけられるのだなと気づかされました。(学生/日本)
子供たちと親の両方が楽しんで日本語と関わっていくとはどういうことなのかということを、具体的な活動や親子両方の関わり方から見せていただきました。改めて、もう一度自分と子どもたちの日本語の関わり方を見直したいと思いました。何が日本語でできるようになったかということを重視し、どのような子に育ってほしいかということを忘れがちなので、改めてそちらのほうが大事なのだと感じました。子どもたちと楽しみながら成長していきたいと思いました。(保護者 /ドイツ)
子どもたちが伝えたいと思える仕掛けがたくさん散りばめられていて、子どもたちの可能性を最大限に引き出せる教室だと思いました。(教師/タイ)
本人が必要としなければ、学びには繋がらないのだということを再認識しました。(保護者・教師 /日本)
読み書きを主とした活動ではなく、あくまでも日本語を用いたテーマ学習を活動内容としている点がこれまで関わった継承後教育機関とは異なり、興味深いと思いました。(保護者・教師 /ドイツ)
どのクラスも、親御さんたちが一生懸命、そして何より、「楽しく」クラスを作っていることが伝わってきて、とても感動しました。作る方も、参加する方も、楽しみながらするということが、クラスづくりにとって、そして、ことばの学びにとって、大きな力になるのだなと改めて気づかされました。(保護者・教師/アメリカ)
「どんな子どもになってほしいか」という共通理念みたいなものがしっかり共有できれば、教室の意義や目的などを見失わなくて済み、活動内容に落とし込むにも、ぶれないのではないかと感じました。(教師/タイ)
楽しい教室を作るために、子どもの成長、心をしっかりと見つめた保護者の方々が輝いて見えました。子どもが楽しければ親も楽しい。親が楽しければ、子どもも楽しいのだと改めて思いました。(教師・学生/日本)
セミナー報告の続きはこちら
報告① 「本セミナー特集の趣旨・コメンテーター紹介」
報告②「バイリンガルの子どものための日本語教室」の概要と特徴
報告③「各クラスの実践報告」
報告④「教室に参加する人々の思い」
動画配信のお知らせ
セミナーに参加できなかったけれど、内容が気になる、興味があるという方は、是非お申込みください。今回は特集ということで研究会として親と子にインタビューし、この教室の意義を語ってもらいました。動画をご覧いただけます。
<動画公開を再開しました>
受け付け期間:2021年6月1日(火)〜8月20日(金)
公開期間:2021年6月1日(火)~8月31日(火)
内容:公開承諾のあった発表およびコメントのみ(質疑応答は公開なし)
申込詳細は、こちらのサイトをご覧ください。
<初回>
受け付け期間:〜4月30日(金)
公開期間:4月23日(金)~5月9日(日)
内容:公開承諾のあった発表およびコメントのみ(質疑応答は公開なし)
動画視聴申し込みフォーム→ <受付は終了しました>