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タイ語中心の運営による効果、タイ人親がイメージする小学校の当たり前って?、日本人親も知らない日本の今の小学校~日本部会活動を通じた気づきと想い(20240223JPAC01)

日本部会企画模索活

お互いに学ぼうシリーズ1

-タイの小学校生活編-

รู้จักฉัน รู้จักเธอ  ตอน: ชีวิตประถมในโรงเรียนไทย


 2024年2月23日に、日本部会の今後の企画を模索していく活動として、「お互いに学ぼうシリーズ」を始めました。その第1回は「タイの小学校生活編」です。その活動内容、参加者・運営委員の気づきと想いについて報告します。


この活動の終了報告はこちら


参加者:ホームディー夫婦(夫:ベンツ(タイ)・妻:りり(日本))、千葉夫婦(夫:まさき(日本)・妻:オーイ(タイ)※)

※ 千葉夫婦の妻は欠席。ホームディー夫婦、千葉夫婦とも、一名は運営委員

運営側:日本部会運営委員5名、JMHERAT代表


タイ語中心の運営にしてみたら、こんなにいろいろな変化が…!

今回からの「お互いに学ぼうシリーズ」は、現地人としての日本人が、外国人であるタイ人に情報を提供、支援する、という形ではなく、両者がお互いの国の小学校について学び合っていこう、というのがコンセプトです。そこで、会の進行も基本的にタイ語で行うことにし、タイ語がわからない人のためには、運営委員の一人がチャットで日本語訳を流し続けることで、バイリンガル対応を実現しました。


すると、これまでの回では、参加者・運営委員も含め、発言などが比較的に控えめだったタイ人の皆さんが、非常に闊達なおしゃべりを展開し、またよりいきいきニコニコした表情だったのが印象的でした。


また、タイ人と日本人の間で、あるいはタイ人同士で、その時々のトピックについての理解をお互いに深めるための、協力・協働による対話が成立していました。たとえば、スライドで示された種々の特別な衣服をどんな時に着るのか、教室の様子や休み時間、登下校の仕方、朝礼など、多くの内容が取り上げられましたが、タイと日本の間での異同、あるいは同じタイの中での異同などについても、次々とていねいな質疑応答のやり取りが繰り広げられました。それは、また、そのような中で、最初から最後まで、驚きや共感、また嬉しそうに思い出に浸る様子が絶えず、今回得られた多くの学びが、各個々人の身近な人生経験に深く根差し、意味を持って迫ってきていたように思われました。

 今回は、タイの小学校、日本の小学校について、それぞれ、担当の運営委員がスライドを見せながら話し、場を共有する全員からの質疑応答と語りで進めていきましたが、実際には「前半」予定だったタイの小学校についての談義がたいへん盛り上がったため、当初の予定を変更して、時間のほとんどをタイの小学校生活の理解に充てました。日本の小学校については20分程時間を取り、次回(第4回の活動)で、その続きを行う予定です。

 以上について、会の後のアンケートからの声を下記に記します。


  • 夫が楽しそうに参加していたのが、印象的でした。妻として、夫のそのような姿が見れて嬉しかったです。他のお二人のパワーが夫を引っ張ってくれていたように思います、感謝します!(りり)

  • ทำให้รู้สึกว่าผู้ร่วมกิจกรรมคนไทยมีส่วนร่วมในการพูดคุยมากกว่าปกติ ทุกคนดูมีสีหน้าสดใสและยินดีที่จะเล่าเรื่องตัวเองให้ฟัง(タイ人の参加者がいつもより積極的に参加したような気がする。みなさんは表情が明るくて、自分の話を喜んで聞かせる様子が見られた)(運営委員A/司会/タイの小学校についての報告担当(タイ人))

  • タイの人同士でも違いに驚いたり、同じところを共感したりしている姿が見られて面白かったです。(運営委員B(日本人))

  • タイの小学校を材料にして話し合うというのは、日本部会の「主人公」であるタイ人の親御さんが自信を持って、楽しみながら話を進められる、という意味でも、とても良かったと思います。各参加者が、そこに泰日比較の視点、「この点、日本ではどうなってるの?」という日本生活に役立てるための視点を持ち込むことを常に意識しながら参加すると、楽しいだけでなく、より役に立つ活動ができるのかな、と思いました。(運営委員C(日本人))

  • みなさんがとても楽しそうだったのが印象的。自分の経験が他の人のタイ理解の資源になるという活動の形がいいですよね。そして皆さんが違いや共通点には気がつく過程が、こちらの理解を深め、関心を刺激します!(運営委員E(日本人))


 

タイの小学校って、そうだったんだ!…でも、同じタイの学校でも、けっこう違うんだね〜


 タイの小学校についての報告の時間では、多くのトピック(教室、トイレ、制服・髪型、時間割と教科、通学方法、朝ごはん、朝礼、給食…)についての報告と話し合いを行いました。これら以外のトピックもあったのですが、談義が大盛り上がりしたため時間切れになり、次回以降に送ることにしました。


 このセクションでは、これらの一部について触れたいと思います。


 まず、一口にタイの小学校と言っても、公立・私立、都心部・地方、共学か男女別学か等々によっていろいろな違いがあり、環境や子どもたちの生活も自ずと違ってくることが、三人のタイ人(参加者・運営委員)の経験も交えて語られました。校舎、教室、トイレの様子なども多様なことが、スライドで示され、それぞれのスライドで、各自の経験が語られたり、それらに対するコメントや質問が盛んに飛び交いました。


教室の様子などでは、様々な掲示物や、教室内設備などをめぐって、タイの小学校間の比較だけではなく、日本の小学校との異同なども話題になりました。他にも休み時間のない時間割、授業中に手を挙げてトイレに行くこと、登下校時は親の送り迎えが一般的なこと、朝ごはんは登校中に買って親といっしょに車中などで食べたりすることも普通であるなど、タイの小学校についてあまり知らない日本人にとって、驚きの学びが多くありました。その一方で、タイのことをよく知っていると思っていたタイ人の間でも、実は自分自身の小学校経験と、他の学校、最近の学校の様子との違いに、意外さを新たにする場面も多々見受けられました。さらに、制服や髪型についての決まりをめぐるいろいろな議論や、音楽の授業ではタイ楽器の演奏を練習することになっている、など日本とタイで似ている部分も少なからずあることも共有されました。


 この時間はタイの小学校生活がテーマでしたが、各自がタイ、日本と、それぞれの国での小学校経験を各々持ち寄って話し合う中で、タイの小学生の様子だけではなく、日本の小学生との比較も自然に浮かび上がり、互いに学び合うことができたように思います。このことは、日本部会の今後の活動にとっても貴重な糧になるのではないでしょうか。



 以下は、アンケートから、タイの小学校生活についての記述を抜粋したものです。


  • 夫は特にタイの当たり前の学校とも少し違い、異端的な特徴的な学校だったんですね。この活動を通して、夫の「当たり前」も覆っていくのであれば、日本の小学校ではいかに自分の知らない生活が行われているか、受け止める準備ができるようになると思います。(りり)

  • ได้ประสบการณ์ใหม่ๆของแต่ละโรงเรียน นอกจากนี้ยังได้รับรู้การใช้ชีวิตประจำวันของเด็กๆในแต่ละภูมิภาค และรู้สึกสนุกที่ได้แลกเปลี่ยนประสบการณ์ในสมัยเด็ก(各学校の経験を得ることができた。また、各地域の子どもたちの日常生活を知ることもできた。子どもの頃の経験についてお話を交わすことができて、楽しかった)(ベンツ)

  • ถึงแม้จะเป็นคนไทยเหมือนกัน แต่ก็ทำให้รู้สึกว่าโรงเรียนในไทย (รร.รัฐบาลและเอกชน / รร.ชายล้วนและสหศึกษา) มีข้อแตกต่างกันค่อนข้างเยอะ ไม่ว่าจะเป็นเรื่องสิ่งอำนวยความสะดวก(同じタイ人だといっても、タイの学校(公立学校・私立学校、男子校・男女校)に相違点がかなり多い。例えば、校内の施設やカリキュラムなど)(運営委員A(タイ人))

  • สนุกตรงที่ได้รู้ว่า ถึงจะโรงเรียนในไทยเหมือนกัน แต่ก็มีอะไรที่ไม่เหมือนกันเยอะเลย (同じくタイにある学校だといっても、相違点がたくさんあるということが(この活動で)わかったので、楽しかった)(運営委員D(タイ人))

  • 日本との共通点も思っていたより多くそれも意外で面白かったです。(運営委員E(日本人))

  • タイの中でも地域や学校によって若干の違いあることが分かりました。タイの人同士でも違いに驚いたり、同じところを共感したりしている姿が見られて面白かったです。(運営委員F/日本の小学校についての報告担当(日本人))


 

タイ人も日本人もびっくり!日本の小学校って、そんなふうなの?

 この時間は、小学校教員でもある運営委員が日本の小学校舎内や教室の風景の写真を画面共有しながら進めました。まず、児童の作品等の廊下の掲示物や、教室の風景(日課表等の掲示物、机の並べ方(コロナ禍の影響等))、児童の持ち物(座布団、ヘルメットや防災頭巾など防災関係等)など、日本の学校でよく目につく物などについての説明が日本語でありました。説明のタイ語への通訳も兼ねて、主に司会の運営委員が報告担当の運営委員と会話のキャッチボールをする形で進行しました。


 特に日本の学校らしいポイントとしては、教室や机の引き出しの中の整理整頓の指導が挙げられるでしょう。その中には、勉強のために児童にとって必要な物しか入らない、整理整頓がしやすい小さめの筆箱を勧める、といった筆箱に関する指導もあり、日本人、タイ人の双方にとって驚きだったようです。また、タイの小学校生活の報告時に聞いた内容をそのまま受けて、学年ごとの時間割や休み時間についてもあらためて話題になりました。他にも、学校図書室のスタッフさんが、児童の学年に合わせて届け、管理してくれる、各教室内の出張書棚といった興味深い工夫などもありました。


 実は、この場にいた日本人の多くも、今の日本の小学校について知らない・わからないことが多かったという印象です。限られた時間の中での駆け足の、日本の小学校生活についてのセッションとなりましたが、各参加者・運営委員にとって、有意義な初めの一歩となりました。



 以下は、アンケートから、日本の小学校事情について触れたものです。


  • 30年前の小学校とは異なっていることもありました。もっと聞いてみたいです。私にも知らないことがある、夫と一緒に学べるというのは、実は夫だけが知らないわけではないというのを、夫が知ることができますね。もっと「あ、私の時代と違う、私も知らない!」という感想をその時に述べるべきでした!後で夫にまた話そうと思います。(りり)

  • ได้เรียนรู้เกี่ยวกับสิ่งที่อยู่ในโรงเรียนประถมญี่ปุ่นและ อุปกรณ์ต่างๆที่จำเป็นต้องเตรียมสำหรับใช้ในโรงเรียน รู้สึกสนุกและตื่นเต้นมากเนื่องจากไม่มีประสบการณ์ดังกล่าว นอกจากนี้ยังเป็นการเตรียมพร้อมสำหรับลูกในอนาคตอีกด้วย(日本の小学校と、学校で使われるために準備するような道具について勉強になった。(日本学校を)体験したことがないので、とてもワクワクして楽しかった。また、自分の子どものための今後の準備にもなると考えられる)(ベンツ)

  • อาจารย์นำรูปจริงๆ ของโรงเรียนมาให้ชมทำให้เห็นบรรยากาศโรงเรียนได้อย่างชัดเจน ประทับใจตรงพ้อยต์ที่คุณครูพูดเน้นถึง 日本らしさ เช่น การส่งเสริมให้นักเรียนมีนิสัยจัดของให้เป็นระเบียบผ่านทางลิ้นชักใต้โต๊ะ และกล่องดินสอมาก และช่วงเวลาพัก รวมทั้งช่วงเวลาแต่ละคาบที่คิดมาเพื่อนักเรียนแล้วว่ามีช่วงพักให้ไปเข้าห้องน้ำ และช่วงเวลา 45 เหมาะสมกับการจดจ่อในการเรียน คิดว่านี่เป็นอะไรที่โรงเรียนไทย (โดยเฉพาะรร.รัฐบาล) ยังขาดความคำนึงนึกถึงเรื่องนี้อยู่มาก (F先生が、学校に実際の写真を見せて、学校の雰囲気がよくわかった。その中で、先生が取り上げた「日本らしさ」というポイントが印象に残った。例えば、机の引き出しや筆箱で整理整頓の習慣を学生の身につけようとすること。そのほか、学生のために考えた休み時間、トイレへ行く授業の間のブレイク、そして授業への集中に適している45分の一コマもあり、それはタイの学校(とくに公立学校)があまり配慮していないことだと思う(運営委員A(タイ人))

  • 授業中にトイレに行ったりするなどは、私の子ども時代の日本では考えられなかったので、まずはそれを「タイと日本の違い」だと思ってびっくりしましたが、その後、日本でも今は、授業中に子どもがトイレに行くこともある、と聞いて二度びっくりしました。(運営委員C(日本人))

  • タイの小学校のことを聞くことができたので、日本の小学校との違いや日本らしい学校文化について話がしやすくなりました。(運営委員F/日本の小学校についての報告担当(日本人))

  • 日本の学校文化は、何十年も前から変わっていないことが多くあります。それを先生たちは、当たり前だからと思い込み、変えない、変えられない現状があると思います。ぜひいろいろな方の意見や考えを聞かせてもらい、少しでも学校に対する不安が軽減されたらうれしく思います。子どもも親も幸せになれる学校になってほしいと思います。(運営委員F/日本の小学校についての報告担当(日本人))


 

今回の活動では、タイ人、日本人、また、参加者、運営委員を問わず、質疑応答や語り合いや情報のシェアが非常に活発だったため、報告者が一方的に情報を提供するだけではなく、上記でも触れたように、協力・協働による対話によって話を進め、みんなで会を進行していくことができたように思われます。今後も、どのようなテーマを取り上げ、どのような形での進行・運営を心掛ければ、参加者と運営側の両方から高い満足感を引き出す、より意味・意義のある活動に結びつけることができるのか、考えていきたいと思いました。


 次回は、引き続き日本の小学校生活についての活動を予定しています。



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