JMHERAT 第18回セミナー
親と子の言語政策 ファミリー・ランゲージ・ポリシー
日時 :2022年4月2日(土) 13:00~17:00
動画配信:2022年5月1日~2022年6月30日
当日参加者:59名
前回、前々回に引き続き今回もオンラインでの開催でしたが、時差を乗り越えて世界11か国から保護者、教師、学生、研究者などさまざまな立場の方々から参加がありました。
言語政策=ランゲージ・ポリシーは、国だけではなく、学校や教室、そして家族にもあります。日本国外の日本につながりのある家族はどのような理由・事情で子どもの使用言語や学校を選び、どのような言語の伸長を望んでいるのでしょうか。
今回のセミナーは3つの調査報告を軸に、親と子の言語政策=ファミリー・ランゲージ・ポリシー(Family Language Policy: FLP)を考えました。
13:00 | はじめに ・参加者紹介/本セミナー特集の趣旨 |
13:10 | FLPとは(真嶋潤子) |
13:25 | アンケート調査報告 「タイで子どもを育てる家族の言語政策―子どもの学校選択に関するアンケート調査から」 |
14:00 | 参加者グループディスカッション1 |
14:20 | 休憩 |
14:30 | 子どもの言語政策 「タイで育つ子どもの言語政策―子どものエージェンシーに注目して」 |
15:05 | 親の言語政策 「香港で子どもを育てる我が家の言語政策―日本語・日本文化に拘った私と拘らなかった夫」 |
15:40 | 参加者グループディスカッション2 |
16:00 | 休憩 |
16:10 | まとめ ・発表に対するコメント(真嶋潤子) ・全体質疑応答 ・全体まとめ(真嶋潤子) ・今後の課題(JMHERAT) |
17:00 | 終了 |
17:00〜 | 懇親会(オンライン) |
参加者の感想の一部を紹介します。
タイのご家族の事例、香港のご家族の事例は、それぞれ親の気持ちや子どもの気持ちがすごく生き生きと表現されていて、親の立場として実感を持って聞くことができました。親と子での考え方の違いや時間の経過により変化していく考え方が、非常に興味深かったです。(保護者/タイ)
言語選択は家庭内に留まらず、学校や社会生活にも広がっていく問題であることを改めて感じました。今回の発表で、成長すれば子供自身が自ら自分の言語を選んでいけるということを実例で知ることができたのは大きかったと思います。(保護者/ドイツ)
FLPという言葉自体に初めて触れました。お子さんをもつ家族の言語政策について、自分だったらどうするだろうと、状況を想像をしながら拝聴しました。家族によって言語政策はまったく違ってくるということ、だからこそ大人は多様なインプットして、子どもとともに自分たちに必要な言語政策を選び取っていくことの重要さを知ることができました。(教師/タイ)
親と子を別々にインタビューしたのは新鮮で、良かったと思います。親と子では受け止め方が違うのが興味深かったです。(研究者/韓国)
子どもたちや母親の生の声や体験が聞けたことが、印象的でした。とても心に響く語りで、自分自身の子育てやことばの教育を深く振り返るきっかけとなりました。(保護者・教師/アメリカ)
今までは親or 子、どちらか一方からの視点の話が多かった印象です。今回は親、子両者からのインタビューがあり、親がいろいろ試行錯誤している中でも、子は言語を自分のアイデンティティとして受け止め、選択していると感じました。(元教師/日本)