JMHERAT第19回セミナー
複言語・複文化ワークショップで何が育まれるか
ー各地の実践報告からー
2023年4月2日(日)に開催した第19回セミナーの2回目の報告です。今回は、JMHERATがこれまでに行ってきたワークショップ(WS)の実践を「言語マップ」「言語ポートレート」の2チームにわかれ発表したものを報告します。
前回までの記事
・終了報告はこちら
・報告①「複言語・複文化能力とは?」はこちら
JMHERAT実践報告①
言語マップWS実践紹介
JMHERATでは、言語生活を振り返り、複言語・複文化能力観で言語経験を捉え直すためのツールとして「言語マップ」を開発し、2011年からこのツールを用いた複言語・複文化ワークショップを実施しています。本発表では、改めてJMHERATの複言語・複文化ワークショップの歴史と変遷を、言語マップ活動を軸に振り返り、言語マップ活動は何を育みうるものなのか、言語マップを使用するワークショップの意義と、言語マップのツールとしての意義の双方について考えました。
「描き、語ることで浮かび上がる、複言語・複文化人生ー言語マップを用いたWSの体験からー」
JMHERAT言語マップチーム:
松岡里奈・藤井瑞葉・川合友紀子・常見千絵・松本みなみ・村木佳子・渡邉あやめ
JMHERAT実践報告②
言語ポートレートWS実践紹介
言語ポートレートをツールとして用いたJMHERATのワークショップ事例を紹介しました。特に、2021年に実施した親子向けのワークショップを中心に、過去の参加者の語りや気づきを取り上げ、言語ポートレートの特徴や、言語ポートレート活動を通してどのような現実が見えてきたのか、何が生まれたのか、さらに、言語ポートレート活動が参加した大人・子どもの何を育むことにつながったのかを報告を通して考えました。
「私の言語・文化のありようを描き、語り合う意義―言語ポートレートを用いたワークショップの事例から―」
JMHERAT言語ポートレートチーム:
久保亜樹・齋藤沙夜花・篠田百杏・千石昂・ツムサターン真希子
セミナーでは、当研究会で開発した「言語マップ」、ワークショップ実施方法を開発した「言語ポートレート」のワークショップ(WS)実践について発表しましたが、JMHERATの複言語・複文化ワークショップはこれらに加え、「関係性マップ」の3つのツールを使って活動しています。
この3つのツールは、タイだけでなく世界各地の現場でもお使いいただけます。これらの活動に興味を持っていただいた方は、 ツール紹介 をご覧ください。それぞれのツールの紹介を参照したり台紙をダウンロードしたりできます。詳しくお知りになりたい場合は、当研究会のお問い合わせよりご連絡ください。
これらのツールを使い、複言語複文化環境に生きる子やその親の現状を理解する取り組みが広がっていくことを願っています。 次回3回目の報告では、2022年度に実施した運営者向けのワークショップに参加された2名の実践者が行った「関係性マップ」の実践報告を掲載します。
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